カリキュラム

日本語学習 使用教材と指導指針

日加学園では、履修課程を初等クラスから上級クラスまで12レベルに構成し、全課程の修了をもって卒業としています。

各クラスの構成は学習効果を考慮し、生徒の年齢と日本語能力に基づき決定します。主教材としては現在、光村図書の国語教科書を使用しています。しかし、日本国内での国語教育の為に作られたこの教科書は、カナダにおいて日本語を学ぶ生徒の状況に必ずしも合ったものではありません。

そこで、あくまでも教科書はガイドラインとして使用し、現場の教師の献身的な努力と、これまでに培われてきた経験に基づいて作られたプリント教材で補っています。その他、プロジェクターを使った視聴覚教材も十分に取り入れています。

聞く、話す、読む、書くの4領域すべてに重点をおいた日本語教育を目指し、読み書きだけではなくクラスでのディスカッションや発表などを通して、実践で使える日本語力を培えるカリキュラムを提供しています。

さらに充実したカリキュラム作成に向けて定期的な見直しを行っています。子供たちと一歩一歩、確実に歩いて行きたいと思っています。

1組、2組 【対象年齢/4歳-5歳 使用教科書(2組より)/光村図書*1年上3/4】
教育指導
・学校生活の基礎習慣(集団生活や、身の回りの基礎習慣)を学びながら、平仮名、片仮名の読み書きを、
ゲームや手遊び、工作なども取り入れて学習する。
ビーバー文庫で本に興味を持たせ、借りるきまりを学び、本との時間を親しむ習慣を身に付ける。

3組 【対象年齢/6歳 使用教科書/光村図書*1年上(¼)*1年下 】
教育指導
・この学年から、日本文化に興味を持たせるため、月に1回の特別科目が始まる。
・10分から15分程度の漢字テストを毎週実施。漢字学習補助教材「赤ねこスキル」使用開始。
・毎週の教科書の音読を続け、はっきりした発音で音読できるよう練習する。
・交流会やクラスでの発表を通し、人前で話す自信をつけていく。
・絵日記などを通し、短い文章を書く練習をする。

4組、5組 【対象年齢/7歳−8歳 使用教科書/光村図書*2年上*2年下】
教育指導
・本に興味をもち、読んだ本の内容を理解し、読書記録をつける。
・漢字に対する興味をいだかせる。
・話の内容を考えて、順序よく話せるように指導する。
・習った漢字を使い、300字程度の作文を書く練習をする。

6組、7組 【対象年齢/9歳−10歳 使用教科書/光村図書*3年上*3年下】
教育指導
・読書の大切さを認識させるために、定期的にビーバー文庫に行く。
・国語辞典を授業、宿題で使用する。
・読んだ本の感想文を書く(500-600字程度)。
・正しい筆順で漢字を書く習慣をつける。
・聞く態度、話す態度を養い、自分の意見を発表する機会を定期的に作る。

8組、9組 【対象年齢/11歳−12歳 使用教科書/光村図書*4年上*4年下】
教育指導
・日本の地理、都道府県について学ぶ。
・漢字辞典を授業、宿題で使用する。
・意見文(8組)、紹介文(9組)の書き方を学ぶ(600-700字程度)
・教科書以外の読書課題を宿題に定期的に取り組み、興味の幅を広げていく。
・日常生活の中で敬語(ていねい語)を使う相手について理解し、話せるよう指導する。
・クラスでの話し合い、意見交換、ディベート時の参加について学び、自分の意見をわかりやすく発表するよう指導する。

10組、11組 【対象年齢/13歳−14歳 使用教科書/光村図書*5年上*5年下】
教育指導
・日本の歴史を学びながら、日本の文化にふれ、日本の本、雑誌、新聞などに興味を持つことによって読む力を養う。
・また、それらについて自分の感想、意見等を論理的に述べることができるよう指導する。
・論点をはっきりさせ、自分の意見やきもちを効果的に伝えられる文章作成の仕方を学ぶ(生活文、意見文、手紙など、700‐800字程度)。
・古典の学びを通し、日本語の理解幅を深める。

12組 【対象年齢/15歳 使用教科書/光村図書*6年上*6年下】 教育指導
・視聴覚教材などを使ったり、日系社会との交流の場を持つようにし、敬語(尊敬語、 謙譲語、ていねい語)の使い方を理解し、生活の場で実践する。
・辞書を定期的に使用しながら比喩や慣用句について理解を深め、効果的な表現方法を 学ぶ。800字程度の文章を書けるように指導する。
・学園で休み時間の見回りやベークセールでのボランティアなどを通し、最終学年とし ての責任感を培う。
・最終学年として卒業スピーチの準備などを通し、12年間の学習を振り返りこれから の日系社会にどのように貢献していくかを考える。